筆者はQR決済のチャージ残高を極力持たないようにしています。なぜなら、残高はポイントとは異なり銀行口座やクレジットカードからチャージしたお金そのものと考えることができ、残高があるということはお金が各QR決済の財布の中にバラバラに入っていることになります。そこでお金が分散しないよう、いくつもあるQR決済の残高を、使うとき以外は極力0円にしておくにはどうすればよいかを考えてみました。
検討対象のQR決済の種類
2024年末現在、数えてもきりがないほどのQR決済手段がありますが、利用者が多く筆者も使う代表的な決済手段について考えることとします。具体的には楽天ペイ、d払い、PayPay、auPay、メルペイ、ファミペイの6つです。
楽天ペイの場合
楽天ペイには楽天キャッシュという名前の残高があります。筆者はめったに使うことはないのですが、残高が残ったとしても①ポイントを併用して支払いができる、②キャッシュとポイントの利用優先順位を選択できる、③クレジットカード払いと併用できると至れり尽くせりの機能があり、残高をゼロにするために悩むことは全くないと言ってよいでしょう。
d払いの場合
d払いにも銀行口座やATMからチャージできる残高があります。筆者は使うことはないのですが、dカード以外のクレジットカード払いの時はポイント付与がないため、チャージしてから使っている人もあるかもしれません。
d払い残高をゼロにするには、ポイント併用の支払いを使うのが合理的と思いますが、ポイント利用が優先されるためあらかじめ利用するポイント数を指定しておく必要があります。例えば100円の買物で残高が80円ならば利用ポイント20ポイントを設定してから支払うといった形です。もし本人確認が済んでいれば、残高を他の人に送ることもできるようですが、これは自分で使い切るという目的からははずれてしまいますね。
PayPayの場合
残高をゼロにするのが最も厄介な決済方法です。
まずクレジットカード払いでは残高もポイントも併用できません。
残高払いのときポイントは併用できますが、ポイント優先のため基本残高の方が残ってしまいます。
ポイント+残高とちょうど一致する金額を支払ったときのみゼロにできます。(ポイントを利用せず残高と同額を支払う場合ももちろん可能)
さらにこのときの支払い金額が200円以上になるとこの支払いに対してポイントが付与され、このポイントを利用するためにまた残高をチャージしなければいけなくなったりします。
d払いのように残高を他人に送ることもできますが、これが有効に使えたことになるのかは判断が分かれそうです。
筆者は手元にたくさんあるので買うことはありませんが、大きめの郵便局では切手をPayPayで買えるとのことなので使いみちがありそうならばどんな金額でも組み合わせることができる有効な手段となり得ます。なおこの方法はほかの主要なQR決済共通でも使えそうです。
auPAYの場合
auPAYは直接クレジットカード払いができず、バーチャルでも使えるプリペイドカードという位置づけの残高にチャージして使うことが基本です。なので普段使いしている場合は残高をゼロにするというニーズはあまりないかもしれません。ですがいざ残高をゼロにしようとすると少し手こずります。チャージは1,000円単位だったり、ポンタポイントとの連動ができず、ポイントからチャージする場合でも100ポイント単位だったりして支払いたい金額を設定することができません。
筆者はnanacoチャージにしか利用していないので1,000円未満の残高が発生することはほぼないのですが、どうしても必要な時はAmazonギフトを購入することにしています。2024年現在Eメールタイプなら15円以上から1円単位で購入できます。直接チャージタイプは100円からのようです。
暗算の得意な方はローソンでポンタカードを提示して、支払額とauPAY残高の差額分を計算してその分”ポンタポイントを使ってください”と言うことでゼロにすることができそうですが、筆者は半端なポイント数をレジで指定するのがはばかられて二の足を踏んでしまいます。
メルペイの場合
メルペイはフリマが母体なので出品者の方は現金化ができないと意味がないですね。筆者は購入オンリーのため使ったことはないですが、200円以上で残高の口座振込ができます。ただし手数料が200円かかるとのことです。
振込を使わない場合はポイントと併用で支払いを行うことになりますが、ポイント優先のためゼロにするのは少し厄介です。auPAY同様バーチャルカードを発行してAmazonギフト購入が早道かもしれません。
ファミペイの場合
ファミペイは事前チャージが前提の決済方法です。ファミマでの商品購入やキャンペーン等ではファミマポイントが貯まり、このポイント分も有効期限があるものの残高扱いです。
ファミマでの支払いで残高が不足する場合は差額を現金で支払うことができるようですが、キャッシュレス100%を目指すうえではこれは失敗となってしまいますね。
事前に計算して使用するポイント数を指定する必要がありますが、アプリに登録したVポイントカード・楽天ポイントカード・dポイントカードのいずれかのポイントを併用することで残高をゼロにすることができます。なおSmartCodeでの支払い(ファミマ以外の店で支払う)やバーチャルカードでの支払い(ウォレットでの支払い)の時はこの方法は不可能です。
まとめ
決済手段によって残高をゼロにするための難易度が大きく違うことがわかりました。
特にPayPayはたびたび開催されるキャンペーンや支払い後遅れて付与されるポイントなどで、わざと残高をゼロにしないよう誘導し利用者に使い続けてもらう戦略なのではないかと考えてしまいます。お得に使えればそれでよしとして積極的に利用する人と、懐疑的になってなるべく使いたくない人に二分化されるのではないかと思います。ただおそらく前者の方が圧倒的に多いのでしょう。
筆者はモヤっとしながらも各QR決済の残高が残らないよう奮闘し、クレジットカードタッチ決済が主流になったときいつでもQR決済をやめられるよう、日々を過ごしています。
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