2024年12月JR東日本は矢継ぎ早に計画を公表し、Suicaをはじめとするサービス全般を大きく変革することを宣言しました。驚くような内容あり、そうだよなと納得できる内容あり、ここはどうなるのといった疑問も発生したりしています。筆者の理解はまだ十分ではありませんが、現時点で感じることをお伝えしたいと思います。
発表の時期と概要
2024年12月10日:”Suicaの当たり前を超えます”として今後10年間でSuica機能をグレードアップする計画を発表
2024年12月10日:新たな企業共創サービスを開始する、その一環として2025年1月10日に”JRE WALLETアプリ”をリリースする、2025年1月下旬以降順次”みんなのトレインタウンアプリ”をリリースすると発表
2024年12月17日:統合IDサービス”JRE ID“を2025年2月に提供開始すると発表
(詳細はJR東日本のニュースリリースサイト参照)
驚いた内容
①最も驚いたのは”事前チャージという当たり前を超える”としてクレジットカードなどによる後払いを実現するというものでした。Suicaがセンターサーバー方式になるという情報は以前から漏れ伝わっていましたが、はっきり後払いと記されています。残高が残ってしまうのが嫌いな筆者には大歓迎です。
②もう1点は改札をタッチせずウォークスルーで通れるようにするというものです。今まではQR読み取り方式といったうわさもありましたが、タッチなしとは驚きです。うまく行けば理想的ですが、大丈夫なのかなという不安もあります。
納得した内容
①鉄道乗車の際の利用エリアの制限がなくなるというものです。利用者からすれば当然のことなのですが、今まで技術的、コスト的にできなかったものを解消できるということなのでしょう。
②これまでSuicaのチャージ残高は2万円までという制限がありました。計画では、チャージではなくなることもあって利用限度額の引き上げが行われるようです。利用者にとっても便利ですし、サービス提供側も取引金額の増加が見込めます。
③JR東日本のこれまでのサービスは、Suicaアプリ、えきねっと、VIEWカード、JRE POINT、JREモールなどでそれぞれIDが必要で、とても煩雑でした。これらが一元管理されるということであれば双方に大きなメリットがあると考えます。
疑問点
①いちばんの懸念事項はサーバーダウン、システム障害のときどうなるのかです。何重にバックアップを構えていても思い通り動かないのがシステムですよね。電車は動いているのに乗る人がいないといったことにならないといいですが。
②もう一つは使う人のスマホ充電切れやキャリアのネットワーク障害です。対策は考えられているとは思いますが心配ではあります。
③すべての人に関係するわけではありませんが、スマホ2台持ちやカードとスマホ持ちなどの場合どうなるんでしょう?2重引落しを防ぐため片一方は手で頭の上に持ち上げて改札を通過するのが一番簡単そうですね。
④そもそもカード型のSuicaはクレジットカードのようになって存続するのでしょうか。スマホなしでも使える方がよいと思います。
まとめ・要望する事項など
今回発表された方針は、実現時期はバラバラとはなるでしょうが、概ね歓迎すべき内容だと思います。
特に後払いとなることを評価しており、これによってSuicaは電子マネーではなくなると理解できます。
SuicaWalletの名前を初めて見たときはQR決済アプリかと思いましたが、発表ではそういう表現はないので、当面Suicaはタッチ決済のクレジットカードのようなものになるのかと考えられます。
そもそもSuicaが一般のお店で普及しない理由は使い勝手の問題というよりは販売店の負担する手数料の高さがネックになっているという話を耳にします。競争力のある水準にしてぜひ使える場所を拡げてもらいたいものです。
変更内容を概ね歓迎する一方で、個人としては位置情報によって自分の行き先が把握されてしまったり、消費行動が丸見えになってしまったりすることはなるべく避けたいです。
またスマホ依存、スマホオンリーにしてほしくないです。
他の交通事業者にサービスを提供する方針が掲げられていますが、特にJR各社間の連携をシームレスに、同じ会社であるかのように使えるとよいですね。
また昨今話題になっている青春18きっぷを、Suica上で日付がバラバラでも使える5枚の切符に戻したり、Suicaグリーン券を複数管理可能にするなど切符としてのサービスもぜひとも拡充してもらいたいものです。
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