2025年11月7日、住信SBIネット銀行から同社の顧客優遇プログラムであるスマートプログラムを改定するとの発表がありました。キャッシュレスの話題とは少し違う点もありますが、世の中の関心が高い事項でありかつ納得感のある内容なので取り上げてみました。
新しいランク判定条件
受けられる特典の内容が決まるランク判定の条件が見直されます。
①ランクが4段階から5段階に細分化され、ランクの名称も全面的に変更となりました。
②円普通預金残高+SBIハイブリッド預金残高による判定がメインとなりますが、残高が少ない顧客でも指定された取引の有無によってランクアップができる形としています。
↓新ランク判定条件

③上表には記載されていませんが、ミライノカード保有の条件も残っていました。(VIPまで)
④親会社となったNTTドコモのサービスとの関連は今のところ見当たりません。
なお、新しいランク判定は初回2026年3月実績に基づき実施され、2026年5月から有効となるようです。
新しい特典内容
①カードATM利用の無料回数と他の金融機関あて振込手数料無料回数は、現行のランク3とランク4の間にそれぞれ15回ずつのVIPランクが加わってランク間の差が程よい具合に縮まっています。
②デビット還元率においてはゴールド以下のランクの預金残高のバーが低くなっており、還元率が上がりやすくなります。なお新プログラム実施に伴い、現行のデビットカードポイント還元率アッププログラムは終了するとのことです。(新プログラムに吸収されると理解しました。)
↓新しい特典内容

③VIP、プラチナVIPのお客さまには特別な優待も!との記述がありますが、ここはNTTドコモのサービスと関連するものも出てくるようです。
デビット還元率について
話が少しそれますが、デビット利用でのポイント付与については以前より思うところがあります。
一般的にはデビットカードのポイント還元率は0.5%程度で、クレジットカードと比較してあまり魅力がありません。デビットを使用すると口座の出金明細がやたらと増えること、即時に銀行残高が減ってしまうことなどから筆者は足踏みしてしまいます。
しかし、銀行としては間にクレジットカード会社が入って預金残高が引き落とされるよりは自社のデビットを使ってもらった方が手数料の収入が増えるのではないかと考えます。であればクレジットカード会社と同じように一般よりも還元率が高いデビットカードが出てきてもよいのではないかと思っていました。
住信SBIネット銀行のデビットカード利用に対する還元はまさにそれを実現している例として期待しています。
筆者にとっては、デビットカードに年会費や発行手数料がかかったり、無料で発行できるのはバーチャルカードだけだったりする点が解消されれば高還元率が無視できなくなる気がします。ぜひ力を入れてほしいものです。
納得感の理由
話を元に戻します。
今までは上位のランクとなるために、仕組預金や外貨預金、ミライノカード加入など必ずしも達成しやすいとは言えない条件をクリアする必要がありましたが、基本が円普通預金残高+SBIハイブリッド預金残高による判定となったためメインバンクとして普段使いしている人が条件を達成しやすくなりました。
わかりやすく、ランクアップもしやすい、大変納得感のある変更だと感じます。
NTTドコモの子会社となったことで、ドコモユーザー中心のサービス色が強くなることを懸念している人が多いと思いますが、今回の改定内容は以前から計画されていたものとのことで当面はその心配はなさそうです。ただ大きな改定に時間がかかっているだけで、内部ではNTTドコモの新構想に基づいた仕組みをつくるために準備が着々と進められているのかもしれません。
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