飲料メーカーのサントリーがユニークな名前のアプリを作って自販機のサービスに大変革を起こそうとしています。その名は”ジハンピ”。2025年3月下旬から全国展開が開始されたようです。これからブームがやってきそうな予感がして筆者も早速使ってみました。
操作が簡単
特徴は”操作が簡単”の一言に尽きます。
準備としてはアプリをダウンロードしてキャッシュレスの支払方法と紐づけるだけ。購入でポイントもゲットしたい人は追加でポイントカードとも紐づけできます。SMSでのチェックがありますが、メールアドレスや名前、生年月日などの登録はありません。
試してはいませんがポイントを貯めるポイントカード(5種類対応)を登録すると、ポイントカードでの支払いも選択できるようです。たびたび切り替えるのは面倒なので筆者のようにポイントをあまり貯めておかない人には向かないかもしれませんが、集中して貯めている人には都合が良さそうです。
使用の方はもっと簡単。”ぴ”マークのある自販機の前でアプリを起動し、欲しい飲み物の自販機ボタンを押してからスマホを読取り機にタッチするだけです。歩きながら自販機に近づき、立ち止まった途端あっという間に飲み物が出てくる感覚です。

ややこしい仕組みの部分は表に出さない
どのような仕組みで自販機から飲料が出てくるのか、ブルートゥースなのかNFCなのかそういった説明は表面には一切出てきません。そんなことは気にせず現金で購入する時と同様、いやそれよりももっと便利に飲み物を手にしてくださいというメッセージなのでしょう。
よくある質問などを見てゆくとNFCを使っていることはわかりますが、制限とか準備とかいったことは何もなく、すでにスマホでは当たり前に備えられた機能を使っているだけという考えかと思われます。もし裏で対応するとすれば、アプリダウンロードの際に利用対象外の機種をはじくことはできそうな気がします。
COKEONとの違い

①目的の違い
ジハンピは開発時に、とにかくストレスなくスムースに買えることを目指したとされています。余計な機能は一切省略して利便性を追求しています。
一方先行のコカ・コーラのアプリCOKEONは楽しむことに重点を置いていると思います。キャンペーンやゲーム、ウォーキングなどのコンテンツとそれらから得られるスタンプ、ドリンクチケット、プレゼント品などで使い続けてもらうための仕組みを作ることに力を入れています。
②機能の違い
ジハンピは飲料の購入に特化してとてもシンプル、使い方に悩むことはまずないと思います。その代わりエンタメ的な要素は何もありません。
COKEONはまず自販機との接続でひと山あります。ブルートゥースの接続ののち自販機の商品情報をスマホ画面に表示させます。キャリアの電波も使っているのでしょうか、電波の悪いところでは動きが遅く感じることがあります。購入の後で、抽選やスタンプ付与があるのも重たくなる理由と思われます。一つ商品を購入するのに時間がかかるので自販機に向かう前に準備が必要です。
今後の展望
ジハンピとCOKEONはどちらにもメリットがあり優劣を決める必要はまったくありませんが、今般リリースされたジハンピは使いやすいことと3本無料の初回ダウンロード特典があることで、一気に利用者が増えると思います。飲料に限らずあらゆる自販機の使い方がジハンピ方式に揃ってゆくようになると便利ですね。ただモバイルsuicaを除く電子マネーには対応していないので、すべての自販機というわけにはいかないかもしれません。
一方筆者が心配することではないかもしれませんが、利用開始のハードルが低く個人を特定する情報もほとんどない(ただし登録したカード・QR決済の情報は把握されていると推察)ことから、ダウンロード特典が悪用される可能性があると思います。サービスが終了とならないよう大事に使いたいものです。
TVコマーシャルも活発なようですし、この先画期的なジハンピがどんな風に広がってゆくのかとても楽しみです。
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